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【令和4年度】キャリアアップ助成金の対象、金額、申請方法

キャリアアップ助成金は、利用することでコストを抑えながら社員の待遇改善が可能です。

しかしこの助成金は毎年少しずつですが支給条件や支給金額が変更されているため、最新の条件を確認しておくことが必要です。

今回は令和4年度のキャリアアップ助成金について解説します。

キャリアアップ助成金とは

キャリアアップ助成金の概要を簡単に説明します。

■「正社員への転換」と「待遇の改善」が対象

キャリアアップ助成金には、大きく分けて以下の2種類があります。

  • 正社員化支援
  • 処遇改善支援

正社員化支援は、正社員でない人(非正規社員)を正社員転換した場合に支給されるものです。

処遇改善支援は、非正規雇用の方を含め、賃金や勤務時間などの待遇を改善した場合に支給されるものです。

今回は「正社員化支援」を中心に解説します。

■助成金は事業主に支給される

キャリアアップ支援金の支給対象者は、一定の条件に当てはまる「事業主」です。雇用されている人が受け取るものではありません。

また事業主の方でも、事業所が条件を満たさない場合や手続きに不備があると不支給となります。

《事業主と事業所の条件(一部抜粋)》

  • 雇用保険適用事業所である
  • キャリアアップ管理者が在籍している など

助成金の対象となる転換

「正社員化支援」では、無期雇用の正社員への転換を対象に助成金が支給されます。

  • 非正規社員を正社員にする
  • 派遣社員を正社員として直雇用する
  • 障がいを持っている有期雇用社員を正社員に転換する など

令和3年度までは、有期雇用から無期雇用への転換も支給対象でした。しかし令和4年度からは正社員転換のみが対象となっています。

例えば「有期雇用の契約社員」の契約期間を変更して「無期雇用の契約社員」とした場合、以前は支給対象となっていましたが現在は対象にはなりません。

■正社員、非正規社員の条件

正社員の条件として「賞与または退職金があること」「昇給があること」などが求められます。

また転換させる非正規社員にも「継続勤務期間が3年以内」「給与が転換前の3%以上にアップ」など一定の条件があります。

いったん非正規で入社してもらってすぐに正社員に転換したとしても、支給対象にはなりません。

支給金額

支給金額は転換前の契約雇用期間によって異なります。

  • 有期雇用から正社員へ転換 57万円
  • 無期雇用から正社員へ転換 28万5千円

なお上記は中小企業の場合の金額であり、大企業の場合はやや金額が減ります。

大企業の基準は業種によりますが、資本金が3億円未満もしくは従業員数が300人未満であれば中小企業に該当する可能性があります。

■加算について

一定の条件を満たした場合に、基本の支給額に加算が行われます

  • 派遣社員を直雇用に転換 28万5千円
  • 母子家庭の母もしくは父子家庭の父を正社員に転換 47,500〜95,000円
  • 短時間正社員等の制度を新たに設定して有期の人を転換 95,000円
  • 人材開発支援助成金の特定の訓練終了後に転換 47,500〜95,000円
  • 3年前と比べて生産性が一定以上向上していること 最大15万円

なお生産性向上による加算は、そのほかの労働関係助成金にも適用されます。

支給時期

正社員への転換の場合、転換してから最短で8ヶ月程度かかると見込んでください。

申請から審査完了まで2〜6ヶ月程度ですが、申請前に正社員転換してから6ヶ月の給与支給実績が必要になります。

審査が完了後、2週間程度で支給されます。詳細な支給目処は、支給決定時に通知される「決定通知書」を確認してください。

手続き順序と申請方法

手続きの順番を間違えると、不支給になる場合があります。

(1)就業規則の整備

就業規則に「正社員転換の規定」がない場合は、まず規定を新設してください。

就業規則の整備は、必ず正社員転換をする前に行ってください。これを行わずに正社員転換した場合は、助成金の対象外となります。

(2)正社員への転換

就業規則等に基づき、正社員への転換を行います。

(3)申請

正社員化支援の助成金を申請するためには、正社員転換後6ヶ月以上の給与支払い実績が必要です。

そのほか必要な書類や申請書類、記入例は、以下の厚生労働省のサイトで確認できます。

厚生労働省 キャリアアップ助成金

申請書類が揃ったら、会社の所在地を管轄する労働局もしくは公共職業安定所(ハローワーク)へ提出します。助成金についての不明点についても受け付けてくれるので、記入例でわからない部分は相談してみましょう。

さいごに

既存の従業員に長く働いてもらうことは、採用コストや教育コストの削減につながります。

労働関係の支援は数多く実施されているので、キャリアアップ助成金と合わせて活用してみるのも良いのではないでしょうか。